おじいちゃんへ。

おじいちゃん。
7日経ちましたね。今日は満月です。知ってますか?

お葬式が終わって、今はおじいちゃんの荷物を片付けています。
寂しい作業だけどみんなもくもくとやっています。
ぶーが「わたしは姉よ」っていうのを前面に出すのでわたしは辟易していますが、お父さんは「元気になったからいい」と言っています。

テーブルクロスとか、手品の道具とか銃の模型とか、知らなかったおじいちゃんの楽しみが明らかになってきました。テーブルクロス、お正月におじいちゃんちで宴会するために買ったんでしょ? 来年はないかと思っていました。

年賀状も見たよ。お正月になったらおじいちゃんに届いた年賀状と今まで届いてた手紙や荷物の送り先の人におじいちゃんのことを伝える手紙を出します。それで大丈夫ですか?

みんなへの言付けなどがないので、ちょっと困っています。
でも、全部お父さんが代表ってことでいいよね? 喪主は彼がしました。そして今、おじいちゃんの財産のことでちょっと困っています。
わたしはI弁護士にすぐ会おうって言ったんだけどみんなは内輪で解決したいみたい。でもともこおばさんがうるさくて、わたしはもめると思う。
小夜さんも弁護士つけた方がいいって言ってた。そしてそれは「日本的な考え方じゃないから」って。おじいちゃんだって日本人じゃないんだからわかるでしょ? おじいちゃんはどう思いますか? わたしはみんなに内緒でI弁護士とアカウンタントにこのことを相談に行きます。また勇み足って言われるかもしれないけど、お父さんはお金に明るくないので誰かが冷静に見てないと。
なんだかぶーも重要な仕事をしたいみたいで、いろいろ言って来ていやです。

桑木さんがおじいちゃんのことを見つけてくれました。
今日旦那さんにお礼渡したよ。伊勢丹で商品券を買いました。
見つけてくれた介護の人には、おじいちゃんが好きだったヨックモックの一番大きいセットを送っておきました。それで大丈夫ですか?

おばあちゃんですが、あそこの病院に今入院してます。
おじいちゃんとおばあちゃんが大嫌いだったあそこ。ごめんね。
誰もおじいちゃんみたいに24時間世話できないの。一旦あそこに入ってもらって、介護の老人ホームを探してます。誰もあそこには満足してないよ。
三喜おじさんも嫌がってる。ごめんね。わたしも悲しいです。
わたしたちじゃおばあちゃんにご飯を食べてもらうことが出来ないの。
知ってるかもしれないけど、鼻から管を通して流動食です今のご飯。

そう、安さん来てくれたんだよ。お店休みだったの。
おかみさんも、娘さんも一緒に。目が赤かったよ。
お父さんたちが安さんに行って、おじいちゃんのこと知らせたらおかみさん腰抜かしちゃったんだって。それくらいおじいちゃん元気だったんだよね。

戒名見ましたか?
みんなでとってもいい戒名だね、って言ってます。深厚っていう言葉も入ってるし。おじいちゃんにぴったりです。長いけど。(長いほどいいらしいね)

あ、歌舞伎の人たちも来てくれたよ。
国立劇場に戻らなきゃいけないからってすぐ帰っちゃったけど、来てくれた。
見てましたか?

わたしは、これからおじいちゃんといろいろ話すの楽しみにしてました。
伊藤塾に戻ったらまたいろいろ聞かれるんだろうなあ、とか、お父さんの新しいお店の話とか。たくさん喧嘩もしたけど、もっといろんなことを話したかった。わたしのことを理解して欲しかった。

財産のこと、どうしたらいいですか? おじいちゃんはどうして欲しかった?
おばあちゃんに何をあげてたかもおじいちゃんは自己管理で何も書いて残していなかったので、誰にもわかりません。でも何がどこに入ってるか、全部書いてあって部屋も綺麗だったので助かりました。ありがとう。
株のこととか、どうしよう。財産分割協議書も作ってません。相続税のこともみんな知らない。彼ともいろいろ相談してるんだけど、わたしはまだ子供だと思われてるから専門的なことを言っても誰も聞いてくれない。それに今冷静な人がいないから耳に入ってすぐふわっとどこかへ消えてしまうみたい。だからプロに助けて欲しいのに。おじいちゃんの財産を守るために。わたしの考え方は間違ってるのかな。
わたしの周りは外人ばかりだけど、みんな弁護士つけろって言うよ。日本人の男の子もそう言ってた。小松家ではわたしだけ。

あと、おばあちゃんにはおじいちゃんのことまだ誰も言っていません。
勘の鋭い人だからもうわかってるかもしれないけど、まだなの。

あまりに突然で、みんな今も信じられないと思う。
お父さんは上手に1人にならないようにしてる。わたしも信じられない。

お骨を拾うのためらったのは、ともこばばあが思ってるように気持ち悪いとかいうことじゃないよ。おじいちゃんが元気だった時の思い出を骨の映像で塗り替えたくなかったから。
最後にお花を周りに置く時顔を見なかったのは、笑顔だけを覚えていたいから。
逃げかもしれないけど、わたしはおじいちゃんがばしっとわたしの肩を叩いた時の力強さや水割りを飲んで笑ってる顔だけを覚えていたいの。

みんなのこと、見守ってください。
間違ってることをしそうになったら、止めてください。
お願いします。

そして、お父さんのこと、気にかけてあげてください。
よろしくお願いします。
今までありがとうございました。
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by rinkomatsu | 2004-11-26 22:10 | 日々の生活。
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