女というもの。
今日の映画。「スコルピオンの恋まじない」 

六本木ヒルズへ昨日借りたDVDを返しに行くついでに、六本木に事務所があった頃よく行っていた『あおい書店』へ寄った。
わたしは元ライターだけに、本や雑誌が大好きである。
一番近い表参道交差点の本屋さんでも買うが、小さいので品数が少ない。大きな本屋さんで本を物色するのが大好きなのである。
久々の本屋さんに、にこにこしながら物色をしていると、ぽんと肩を叩かれた。
わたしは道を聞かれたり、声をかけられたりよくするので今度は何だろう、と振り向くと、六本木のOという、番組制作&キャスターなどが登録している事務所のMさんだった。いつもながら、良いスーツを着ている。

「小松、久しぶりじゃん」
「後姿でよくわかりましたね…。恐るべし」
わたしは彼に頼まれ、1度あるテレビ番組に出演したことがあるのだ。
そのディレクターさんは某キャスターの奥さんがいながら浮気をしている、とすっぱぬかれ、どろどろの渦中での出演だったのでいろいろ裏話が聞けたのを覚えている。
「俺ちょっと時間あるんだけど、お茶でもどう?」
ということで、何故かアマンドでお茶を飲んだ。
銀座時代はよくアマンドに行ったが、もう4年ぶり? 変わっていないメニューに懐かしさを覚えた。
「最近何してるの?」
かくかくしかじかで、学部編入を考えてるんですけど、試験が1月でテストと近いので困ってるんです、などなど話すと
「お前事務所辞めたの? やっぱなー」
としみじみしながら煙草に火をつけるMさん。
「銀座も辞めたんだろ? S(銀座時代のお客さん。某S生命のトップセールスマンでMさんの友だち兼保険担当者)も言ってたもんなー、凛ちゃん辞めちゃったよー、って。だからか」
「だからって何でしょう」
嫌な予感。
「お前すげえ太ったよなあ。○○(テレビ番組)の時はカメラ太り(写って太って見えることらしい)してたけど、今じゃもう無理だな」
思えばSさんがその収録に心配して付いて来てくれた時、
「M、凛ちゃんどう? タレントとかになったら売れるんじゃない?」
と絶対無理なことを無邪気に聞いた時、Mさんは
「もうちょっと痩せないとなあ」
と冷静な意見を言っていた。一応モデルだった時代にもそう言われたわたし(その頃は、ふっくらメリハリ系だと主張していたのだが)、今は本当にふっくら、いや、でかくなった。
「それにお前その格好何よ。女かよ」
女らしい格好が好きなMさん。ジーンズにプチバトーの黒いクルーネックのロングTシャツにブーツ、黒いコートがお気に召さなかったらしい。
「化粧もほとんどしてないし。あ、お前あんまり変わんないか。でもグロスぐらい塗れよ」
「でも歩いて来てるんですよ? グロスとか風が吹くと髪がくっつくし、このブーツ歩きやすいんですよ。一応ジルサンダーなんだから。コートだってヘルムート・ラングなんですっ」
愛着のあるブーツとコートをけなされ、意味のない反論をしてしまったわたし。最近頭使ってないからなあ、しまった変なこと言っちゃった、と思ったら
「ブランドなんて関係ないの。わかってるでしょ? 好きなコートとブーツっていうのはわかるけど、お前女捨ててない?」
う、痛い。何だかとっても心にずきっと来たよ…。
「そのコート、New Yorkに行く時買ったやつだろ? (付き合いが長いのでそんなことも知っている)デザインいいけどさ、お前今日真っ黒じゃん。女っぽくないよ」
「だってビデオ返しに来ただけだし…」
段々下を向くわたし。
「爪も何にもしてないじゃん。髪だけは綺麗だけど、何だかぱっとしないんだよなー」
「もう何にもしてないんだからいいじゃないですか。久しぶりに会ったのに、ひどいことばっかり言うなー、Mさん。」
「そうだなー、ごめん。でも俺女の人が女捨ててるの見るの、やなんだよ」
と彼。
どうでもいい格好を長くしていると、どうでもいい女になってしまうのだそうだ。
いつも綺麗な格好を心がけ、お手入れしていると先々違ってくるのだという。
「小松は今職業不明な雰囲気だけど、女は30からだよ。今からどうするかでお前が今よりいい女になるか駄目になるか決まると思う。きらびやかな世界にいたからその反動で普通の格好してるのかもしれないけど、もうちょっと女ってことを楽しんだら? 普通の格好しててもくすんでない女はいい女だよ。お前は今、ちょっとやばい」
とフェミニストが聞いたら怒りそうなことを言っていた。でも、わかる。

おじいちゃんが亡くなってから、黒ばかり着て爪が割れても放っておいた。足の爪の色も落とし、四十九日が終わってからまたいつものように赤く塗ろうと思って、トウリングも取ってしまっていたのだ。
お洒落はパーティやみんなとご飯を食べる時のみ。何だか最近生活にはりがない、と思っていたのだが、女を捨ててたのわたし?

Mさんに一部始終告げると、
「お前のおじいちゃんは綺麗にしてるお前のことが好きだと思うよ。喪に服すのもわかるけど、くすんじゃ駄目だよ。このままじゃくすんじゃうよ。綺麗にしてもいいんじゃない? 格好変えると気分も変わるじゃん。まずは服からだよ。そんなこと、仕事してたんだからわかってると思うけど」
と言われた。女らしい格好をしろ、と言っているのではないらしい。
「昔のお前はすっごく元気で目に力があったけど、今ははかない感じ。もったいないんじゃない? 最近楽しくないの? ビデオ返しに行くだけって言っても、なんかぱっとしない。昔と違う」
業界の人は時に鋭く心に刺さることを言う。

銀座を辞め、事務所を辞めてからわたしは「隠居」と言ってきた。
隠居はくすむ。
せっかく女の子なんだし、綺麗にして元気に街を闊歩するのも楽しいし、今しか出来ない。
最近、服買ってないなあ。美容院、ばたばたしてて忘れてた。
爪もお手入れしてないよ…。
「ダイアモンドも磨かなくちゃただの炭素だからな。久しぶりに会った女の子がくすんでるのってやだぜ? 小松は生意気でにこにこしてる女じゃないと」
とMさんは別れ際にキザなことをさらっと言って去って行った。

最近筋肉痛になりながらヨガも通ってるし、ご飯も自炊するようになった。
頑張ろうわたし。
明日のまさえさんbirthday dinnerへ向け、爪のお手入れをして長風呂しよう。
久しぶりにスカートでも穿いて参上しよう。

数冊本を買って、Mさんの指摘を受けやや前向きになったわたし。
昔銀座のママが言ってた。「どんな女でも磨けば光る。磨かれなくなった時、自分で努力するか否かで人生が決まる」。
家で寂しくドラクエなんてしてちゃ駄目だ! もっと有意義なことに時間を使うのよ!
早速やすきちろう(担当美容師)に電話をしようと決めたわたし。決まれば早い。
確かにくすんだ女(男も)には近づきたくないし、運も向いてこないと言う。
お洒落して楽しい人生を送らないと周りも幸せに出来ないし、今温めている企画もうまくいかないかも。

まずは自分から。綺麗にすれば、心も変わる。
わたしは巻き髪や香水くさいのや、過剰に女を売りにした格好が苦手である。
潔いセクシーなどは好きだけれど、ふっきれていないうじうじしたのが嫌いだ。
安っぽいお嬢様系もいやだ。
ただ、女を売りにするのと女を売りにするのは嫌だと言ってお手入れを怠るのは違う。
昔はわたしも「そんなの一緒だい」と思っていたけれど、銀座に6年もいて写真に出る仕事をしていたら、どうやら違うようだ、と思ってきた。
綺麗にするのとぶりぶりするのも違う。
自分を活かすのと媚を売るのは違うのだ。

最近偶然人と会っていろんなメッセージを受け取ることが多い。『聖なる予言』さながらである。もしかしたら、おじいちゃんが何か伝えたがっているのか? なんて勘ぐってしまうくらい。

読み返したら長文だけれど、それだけいろいろ膿がたまってたってことなんだろうなあ。
花の金曜日なのに家に居て、これからジムでヨガのレッスンを受けて映画を観る予定のわたし。本当にご隠居だ。明日からまた背筋を伸ばして歩く生活を始めよう。
なんだか元気になってきた。頑張るぞ。
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by rinkomatsu | 2004-12-10 19:28 | 日々の生活。
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