凪。
今日の音。「Todd Rundgren」 “I Saw The Light”

彼のお母様は本日、お友達と某ホテルに宿泊。
土曜日帰宅なので、久々にゆっくりとお風呂に本を持ち込んで読んだ。
それは山田詠美氏の『風味絶佳』なのだが、2編読んでわたしには合わないなあ、と思った。
小学生の時、偶然山田詠美氏の本に出会い、ずっと好きで、5作くらい合わないと思って読んでいないものもあるが好きだった。
今回の作品、今のところわたしには合わない。つらくなってしまうのだ。

FEN聴きながらお風呂に入っていたら、懐かしい音楽ばかりで、わたしの本を読む手を止めたのはTodd Rundgrenの“I Saw The Light”だった。
紙のスピーカーで聴くような温かい音がお風呂場に反響し、ものすごくなつかしくせつない気持ちになった。お風呂の湯気と好きな音楽は、人の気持ちを容易に変え、心を摑む。

山田詠美氏の本の最初によって、あまり好きでない人から笑顔で好きと言える人に恋をする人の話しを読んでいて、心が疲弊してしまった。

今回、彼のお母様がいらして、ゆっくり休める場所になった家を気に入り、とてものんびりくつろいでくれるのはとても良いことで、わたしの本望でもあるのだが、過ごす時間が長くなると共にわたしの存在はお母様のご姉妹にも知れ渡り、どこの雑誌社でどんな記事を書いたか、どの雑誌に載っていたかなど筒抜け。
素敵な人達なので良いのだが、笑顔でわたしと接するお母様と彼を昨日、夜中バーで見ていて、わたしはこの人たちと家族になるのだろうか、と考えてしまった。
彼はそれを強く望んでいる。彼のお母様もいくら先進的な考え方の方とは言え、息子と3年以上同居している女がいれば、結婚するのだろうな、と思うであろう。
そして、周りの人たちも。

わたしは彼の母上が好きだ。
今日、彼女を『AVEDA』のヘアサロンに案内し、すっかりオードリーまたはツイギーのような素敵な髪型になられた彼女をお迎えにあがり、一緒に『リトルリマ』でランチした後数々のブティックにいざない、彼女に似合いそうなサマースーツを探し、お散歩した。
何を話そう、とかどうしよう、とかはもう3年も経つので、ない。
お互いいろんなことを話す。
だが、それと彼とのこととは話しが違う。

わたしは彼と結婚するのかわからない。
時に、「する、かもしれない」と思っても、「絶対しない」と思う回数の方が多い。
最近は手も繋がなくなった。
たまに、彼と、彼の母上と3人でDVDなんか観てお茶を飲んでいると、擬似家族みたいな気がする。それを感じた途端、わたしは居心地悪くなってしまうのだ。
彼と一生一緒にいて、ご飯が美味しいとかドラミが立ったとか言いながら生活してゆけるとは思えないのだ。
そして、それを実感しているくせに彼の母上と仲良くしているわたしは偽善者なのではないか、と思う。
ただ、わたしは彼女を好きなのでいろいろしているのだが、客観的に見ればそれは偽善とも取れる。だって彼に対し恋心といえるものはもうないのだから。

では何故今も一緒にいるのか。
わたしはその理由がわからない。ただ、この間あまりに彼のことが嫌になって気が狂うかも、というくらいストレスの塊になってしまった時、わたしは悟ったのだ。
この人は、何度も家出したり出て行くと言われたので慣れてしまっている。
わたしが心底「あなたのことが嫌いだ。もう駄目」と思い、彼にそれが理解出来るまでは別れてくれない。だったらとことん行くしかない、そう思った。

だが、彼のことを嫌いではない。
彼の友達たちといろいろなことを話している時、ああこの人はいい男なのだな、と思う。
が、2人きりになるとそう感じない。仲はいいのだが恋心はないのだ。家族みたい。
わたしにはもう、彼の美点が見えなくなっているのだろうか。

よんよん(韓国美女。ネイリスト)がF(某ヘッジファンド勤務。彼の友人)と付き合っていた時、彼らが自然と身体を寄せたりしているのを見て羨ましくなり、「いいなあ」と呟いてしまった。
するとよんよんが「凛ちゃんたちってしないよね」。
「好きだったら、わたしもするかも」と言いかけてしまった自分にびっくりした。
そして、わたしたちは周りから「相思相愛のカップル」だと思われているということに、初めて気がついたのだ。

Fと別れた後、よんよんとランチした際彼女はだいぶ痛手から回復していて、
「次付き合うならS(彼)みたいな人がいいなあ。飲みに行ってもちゃんと凛ちゃんのこと見てるし、優しいよね」
と言っていたが、わたしには「あ、そうですか」みたいな感想しかなかった。
確かに彼はいい男である。かっこいい、とかではなく、とても人柄が良く、頭の引き出しをたくさん持っている人だ。
じゃあなんでもうわたしの心の琴線に触れないのだろうか、と考えていたら火鉢くん(某携帯電話会社勤務。最近出世したらしい)から電話。
「なんか暗いね」と言われ、実は、と話してみたら
「それはお前が悪いよ」
わたしは「ええっ?」と驚いてしまったのだが、間接的にみんなを裏切っていることになるから悪い、のだそう。悪いのかな。どうにも出来ないのだ。そして、悪いという自覚がない。ひどいかも。
ただ、たまに彼といて楽しくて、ああ大丈夫かも、と思う時もある。が、思わない時はそんな瞬間があったのだろうか、この人生において、と思うくらいひどく嫌いになる。

「でも、とことん行こうと思いました」と言うわたしに彼は
「頑張ってね。でさー」
と面白い話しを聞かせてくれ、わたしはちょっと元気になった。
ありがとう火鉢くん。

わたしは誰かと、嫌いな時はだいっきらいでたまに「いいかも」と思う時がある、というお付き合いをしたことがない。誰かが「そんな時を超えたら凪になる」と言っていた。それを経験し、共に超えられたら2人は揺るぎないものになるのだそうだ。
が、それには歩幅が少しでも違ってはいけないし、同じスタートラインに立たねばならない。

どうなるのかわからないけど、多分きちんと自分の本当に望む道へ進んでゆくとわたしは信じている。
彼と楽しく時を過ごせるようになるのか、駄目になるのか。どちらかだ。

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FENはAFNに名称変更されたそうです。知らなかった…。時代がわかるね。
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by rinkomatsu | 2005-05-27 00:13 | 日々の生活。
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