family affair.


わたしの家は、少し変わっている家らしい。
そう気がついたのは、小学校が変わった時だった。
田舎に引越し、服や髪型でいろいろ言われてはいたが、母親が男を作って出て行ってから、どうやらうちのスタンダードは世間様と違うらしい、と気がついた。


じゃあ普通って何なんだろう、とその時ずうっと考えて、統計的な見地からいう「普通」つまり平均、と頭では納得しているのだけれどもじゃあ、世の中に普通の人っているのか? 本当に「普通」っているのか? と未だに疑問に思っている。

この枠から出なければ普通、でもすこーし違うところもあるよ、というのがわたしの理解する「普通」なのだが、世の中で使う「普通」の意味は少し違うらしい。
また、わたしの家はそのやんわりした普通さえも飛び越えた「変」な家である。


父と母は、法的に離婚していない。
ただ別居期間が長く、経済的に違う財布であり、父は財産をすべて彼女に渡す形で家を出た。
子供たちは10代で家を出ていたが、父だけが最後に家を出た。

母が今何をやっているかは知らない。
電話にも出ず、家からほとんど出ないらしい。ひきこもり的なのだが車は動いているそうだ。
わたしはもう興味がないし、彼女が死のうがどうなろうが面倒は見ない。
それだけのことをされたからである。
冷静な感情で、わたしはもう彼女とは関わりたくないのである。

母親には今介護付き老人ホームにいる母親、つまりわたしから見るとおばあちゃんがいる。
彼女は特殊な病気になってしまい、今の日本の医療の重大な問題である「ベット数」により病院を追い出され、不本意である老人ホームに入れられている。
おじいちゃんは毎日通っているらしい。

母親は、おじいちゃんおばあちゃんと不仲である。
おばあちゃんが救急車で運ばれ、それを祖父が知らせた時
「シャワー浴びてから行かなくちゃ」とのたまった女である。
祖父と母親はお互い論点のずれた話し合いというよりも喧嘩を毎度し、祖父のところに訪れるわたしに彼は何時間もその愚痴と悪口のみを言うため、おばあちゃんが大変なことになっているのにわたしは1度しか、祖母を訪ねて行っていない。
祖父もさすが母親の父で、取材の最中に電話をしてきて
「取材だから」
と言っても切ろうとせず、「本当にすみません、仕事中です」と言って電源を切ったのだが、留守番電話に「わざと電話を切ったろう」と残すような御仁である。


そろそろ、老人ホームのおばあちゃんが危ないらしい。
本来なら母親がいろいろ動くべきなのだが、親戚がやってくれているそうだ。
親戚は学歴重視の人で、わたしが行った高校だとか、専門学校だとか大学、出版社からわたしを判断している節がある。
親戚の子は一人娘なのだが、高校までは彼女のほうがレベルが上で、大学からはわたしのほうが、彼女の見地的に上だったようで態度が変わった。
その親戚、「凛ちゃんお母さんと話しなさいよ」と会うたび言ってくる。
何も知らない第三者は時々怖いことを言うのだが、母親は昔から話しが通じず、今はもっとpower upしているらしい。
自分のことを鬱だの親が違うだの、妙なことをのたまっているらしい。
(専門家に聞いたわけでもないのだが、自分ではそう思っているらしい。本当に鬱の人に失礼だと思う)
仕事もしていない。
話して通じる相手だったらこうなっていない、と思う。
親戚はわたしが16歳の時家を出たのを知らないのだ。

ここまでこじれた親子関係の修復は、第三者の介入なくしては無理だと思う。
弁護士なり、公証役場の人なりを立て、こちらが本気だということを示しながらも第三者によって彼女の論点をずらさせないよう牽制しなければならない。
ああいう人は自分を守るためだったらなんでもするので、第三者という目が必要なのだ。
ええかっこしいには一番効果的である。

この間、おじいちゃんの1周忌があり、家族で飲んだ。
その時駅に現れた父はわたしが好きな父ではなく、髪もぼさぼさで肌もばさばさ、服装にかまっている暇のない50代の男性であった。
父から、母親が未だ離婚届に判を押さないこと、実家が競売にかけられることを聞いた。
父が母親のためにローンを払うのは、わたしも間違っていると思う。
彼女には支払い能力が今ないようなので、競売という結果になった。
非常に不名誉なことらしいのだが、あそこはもう彼女の持ち物になったと理解しているため、わたしと姉は何の感情も浮かばない。
が、父は自分のせいだと考えているようで、なんともいえない顔をしていた。

「子供はやっぱり男の子がいいね。女の子は本当の意味で優しくない」と父方のおばあちゃんは言っていたが、わたしもそう思う。
父はこの期に及んでまだ、自分を責めている。
もういいのに。
夫婦のことは夫婦にしかわからない。
が、父はきちんとしようとした。人として責任を取らねばならないのは母親である。

まあ彼女には、今の家が競売にかけられようがなんだろうが、おじいちゃんの家と土地がある。
相続人は、このまま行けば彼女。
痛くもかゆくもないお話し。
裁判所命令が出たって赴かない神経の持ち主なのである。

実の親が病気でも、何にもせず「遺伝しますか?」なんて聞く女。
そして祖父は、わたしたちに母親をどうにかしろ、というのだが、親子間の問題はそちらで解決して欲しい、と思う。
話し合いに立ち会うことはできるけど、それだけ。
わたしも彼女との間に問題を抱えているが、こちらは幾度となく対話を試みた。
彼女のほうが話す気にならない限り、もう無理。時間の無駄である。

おじいちゃんは、おばあちゃんがもし先に逝ってしまったらどうなってしまうのだろう。
それまでに親子関係に決着をつけていただきたいのだが、このままでは無理であろう。

まず母親とおじいちゃん、そしておばあちゃんのこと、次に離婚のこと、いつかわたしたちと母親の問題が解決すればいいと思う。

かっこよかったのに枯れたおじさんになってしまった父。
家が安定していないと、人は揺らぐものである。

早く父に、素敵な姿を取り戻して欲しい。
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by rinkomatsu | 2005-11-29 21:48 | 日々の生活。
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