書けない。
今日の音。「Keane」 "Somewhere Only We Know"

この間京都氏と会ってから、ずっと手紙を書こうと思っていた。
彼は昔から「文字の揺れなどでその時の心情がわかるから」と手書きの手紙を好んでいた。
わたしは何度も彼に手書きで手紙をしたためたが、彼からもらった手書きのものは、カード1通。
「字が汚いから」といつもメイルだった。

わたしと彼は、会ったその日からメイルを始め、毎日メイルを交換していた。
何年経ってもほぼ毎日メイルを2人とも送り続け、彼はそれを保存して取ってあるという。
わたしはPC破損やフロッピーディスク破損などであまり残っていないのだが、どんなことを書いたか、どんなことを書いてきてくれたかよく覚えている。
それだけ好きだったんだなあ、と今になって思った。

仕事の都合と明日の予定から今日の夜は空けていて、家でのんびり自炊したり仕事の続きをしたり。
ひと段落ついてから、鳩居堂でたくさん買った便箋から何を使おうか選ぼうと思ったのだが、やっぱりPCで書いて印刷したものを送ることにした。

書き始めて、言葉遣いがだいぶ変わったことに気が付いた。
また、書こうと思っていることを表現すると迷惑になっちゃうなあ、とキーを叩く手が止まることが多く、『AppleTV』で再生していた音楽でその当時聴いていたものがかかるとぼうっと聴き入ってしまい、一向に筆が進まない。

どうやらわたしは、彼に対し「どんなに好きだったか」を伝えたいようで、でもそれは今更伝えることでもないのだけれどどうにかして伝えたいんだなあ、と思った。
最近久しく自分のことで涙していなかったのに。
悲しい涙は塩辛いと言った人がいたが、口に入ったそれは塩辛くなかった。

彼との関係に決別したいのでもないのだけれど、なぜ今「好きだったよ」と伝えたいんだろう。
そして、涙ってあったかいなあと感じ、笑ってしまった。


まだ手紙は進まない。
以前はあんなにすらすら書けたのに、1時間かかってたったの1P。
それだけ人の気持ちや常識がわかるようになったのだろうか。
それとも、昔溜めてどこに閉まったのかわからなくなっていた想いが溢れ出しているのだろうか。

よりを戻したいとか、そういった気持ちは一切ない。
ただ、いろいろ話しをしたいと思う。2人で飽きるまで。好きな音楽を聴きながら、おいしいご飯とお酒を横に置いて。

がんばってがんばって、付き合っている頃から気持ちを殺して、やっと別れた人。
最後、『ヨックモック』でお茶をして、御幸通りを駅のほうに歩きながら「別れて下さい」と言ったわたしに彼が言った「別れなくてもいいじゃないか」が決め手であった。
『コム・デ・ギャルソン』の前。
このまま付き合っていっても変わらないよ、あなたは何も変える気がないんだね、と実感した瞬間。

女はなぜ先を見るんだろう。
結婚したいなんて思わないわたしが、京都さんがぼけちゃったらどう介護しよう、と考えた相手。
付き合い始めに「3年経ったら考える」と言われ、それを信じていたわたし。
わたしがもっと大人であったなら状況は違っていたであろう。
もし、今のわたしだったら少しは違うと心から思う。
手紙を書き始めて、自分の微々たる成長がわかった。

いっぱい困らせて、思いつめちゃって不眠症に勝手になったりして。
感情がむき出しだったなあ。

そういえばこの間京都氏にも「感情の暴力性がなくなった」と言っていた。
なんだかものすごい言葉だぞ、と意味を聞くと「以前は生の感情をぶつけてきていた」と。
確かにそうだった。
そんな、獣みたいだったわたしとよく彼は一緒にいられたなあ、と思う。
今のわたしだったらお手上げ。
あのまっすぐさが良かったのだろうか。痛々しいまでの。

手紙を書く手が止まり、しばらくいろんなことを思い出した。
一緒に行った京都、バーで話したこと、怒鳴られたこと、公園で朝まで話したこと。
わたしは多分、まだ京都氏のことを自分で納得するくらい知らない。
味わい尽くしていない。
「恋」ではなくて、人としての興味。

ほんとにそう、なのかな。

この間「今まわりにいい人ばかりでとても幸せ。楽しい」と言うと「俺もその中に入っているとうれしい」と言っていた。
わたしは彼に女性として育ててもらったようなものだと思っているので、
「京都さんはちゃんと入ってますよ。当たり前じゃないですか」と言いたかったのだがなぜか言えなかった。
なぜこの人は、さらっと人の心をつかむようなことを言うのだ、と困惑したのだ。

わたしたち、ずいぶん前に別れたんですよ。
なのにそれってなんですか。
と言いたくなったのだが、それも何だかおかしい、と思い絶句。
なんだか、とても複雑な気持ちになった。

それを説明すべく手紙を書いたはずなのに、全然進まない。
書くよりも会ったほうが早いのはわかっている。
出国前に1度会いたいと思う。
自分の中にあるもやもやした気持ちをはっきりさせたい。

こんな気持ちになるなんて、わたしはやっぱり、京都さんのことが大好きだったんだなあ。
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by rinkomatsu | 2007-06-09 00:42 | 日々の生活。
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