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優太ちゃんの報道について。
今日の本。「有吉 佐知子」 “悪女について”

日本は同情とねたみの国だ。
こう言うお客さんがいた。
わたしはそれに同意する。

新潟で助けられた優太ちゃん、お母さんとお姉さんは残念だったけれど、助かって良かったと思った。
が。

ニュースで放映された、病室での優太ちゃん。
しかも「医師撮影」とのテロップ。
医師は患者のプライベートなどを語ってはいけないという暗黙の了解があるんじゃないのか。アメリカでは患者から訴えられる。
医師法第七条二項によると「医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあった時は、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて医業の停止を命ずることができる」とある。

メディアも注目しているし、良いと思ったのか病院長まで会見で「アンパンマン大好き、などと言い、アミノ酸飲料を美味しいと言って飲んでいた」と。
お父さんも、世話をしているおばあちゃん達も心労や悲しみで大変かもしれないけれど、このメディアの取り上げ方はおかしいと思う。
つくづく日本は美談が好きだと思った。
わたしが大きくなった優太ちゃんだったら病室の中を公開されたくないし、言ったことも報道して欲しくない。憲法十三条「個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重」で一応プライバシー権は認められているのだ。

車で寝泊りされる方をいきなりカメラで撮ったり、美談にするため人の親切心や憐憫を煽るような報道の仕方はおかしい。
おばあちゃんや近所の人もべらべらカメラに喋るのもおかしい。
テレビは偉くない。人によって救われたのは事実だが、感謝するのは助けてくれた人にであって、テレビの前で何もしなかった人に「ありがとう」は違うと思う。
優太ちゃんだけ助かって、みんなに感謝して「ありがとう」ならわかるけれど、それならば1度だけでいいんじゃないのかなあ。報道陣に頭を下げることはない。
この間も3人の日本人がテロリストに誘拐された事件があったけれど、家族の人もほとんどの国民は何にもしていなかったのだから「ありがとうございました」なんて言うの、おかしい。
しかしそう言わないと「何よあの人たち」と言われそうな日本。わたしはおかしいと思う。

本当に助かって良かったけれど、メディアはおかしい。
もうちょっと報道の仕方を考えて欲しいと思う。
by rinkomatsu | 2004-11-06 23:06 | 日々の生活。
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