今日の音。「Call on Me」 “Erio Prydz”
何回人生の岐路に立っているんだろう、と考え込んでしまうほど「岐路」に立った経験を持つわたしですが。 今回ばかりは本当に「岐路」。 どうしよう…。 以前付き合っていた扶養家族付き代理店のおじさまから電話。 「最近どうなの?」 の問いに、考えていることを話したら 「日本に居てもしょうがないやろ。海外行ったら? 日本でやってもしょうがないよ」 と言われた。 うすうす自分でも気が付いていることで、実は今まで付き合った人の中でわたしの心の機微やひだを一番把握している(いた?)人に指摘されたので、どきっとした。 DVD鑑賞中だったのだが、もうそっちのけ。電話を切ってから、うーん、と悩んでしまった。 海外。 わたしのしたいことから鑑みると、それはアメリカにあたる。 しかし、それをするには数年ドラミと離れなければならない。 連れて行ってもいいのだが、猫にはテリトリーがある。ドラミは日本にいるほうがいい、と思う。慣れた家、長く広い廊下。これから引っ越すにしても、飛行機に乗せて12時間、そして狭い寮に格下げされるよりも、広い場所の方がいい。 が、彼は生まれた時から猫がいた人で、放っておくいわゆる野生化させるタイプ。 わたしは今ドラミのご飯を手づくりしていて、彼からしたら「世話のしすぎ」タイプ。 何を食べたか、どんなうんちをし、おしっこをしているか、毎日ドラミ日記と名づけて記録している。身体の弱いドラミにこれは非常に有効なのだが、それができなくなるのも困るし何より、半年に1回くらい帰って来た時に忘れられてしまうのと、せっかく築いた信頼と、甘えてきてくれる姿勢がくずれてしまうのが怖いのだ。 海外に行かない手もある。 今非常に迷っている。 六本木ヒルズに向かうタクシーの中で、「ドラミと離れちゃったらどうしよう」と涙ぐんでしまった。それくらい、ドラミはわたしの生活の中に溶け込んでいる。生活の一部、わたしの一番大切なもの(もの、というのにはちょっと抵抗があるけど)なのだ。 馬鹿な女かも、と思う。 こんな時、雑誌を見てぼうっとするのは有効で。 六本木ヒルズは性に合わないが、tsutayaのオープンに雑誌を見られるスペースは好きである。雑誌社に勤務していた者にとっては「立ち読みしないで買ってね」が本音だが、懐石みたいにちょっとずついろんなもの的嗜好も理解できる。 ソファの隣は素敵なおじさまで、経済誌を読んでいた。 こんな時に『Harvard Business Review』なんて読む気になれない。ファッション誌をぱらぱらめくっていたのだが、ページを飾るのは「自称 セレブ」な方々と「wanna beセレブ」な方々。いくらお金があろうが、他人からセレブと呼ばれようが、わたしは自分の思う人生を生きていないのはつまんない。 わたしは自分のしたいことがしたい! 好きなことをして、それを究めて満足のいく結果を出した自分を誇りに思いたい。セレブな方々を見て強くそう思ったのと、今までもこう感じたことたくさんあったなあ、と気が付いた。 笑顔で誌面を飾っても、なんだかつまんない。満たされない。ファンレターを貰ったって、それだけ。わたしがしたいことじゃない。社交面では強いレジュメだけれど、人生的に言ったら無駄な時間、モデルはわたしにとってそんな仕事であった。 ライターの時はいろいろあったが、社会や経済系の記事を書きたかったわたしに雑誌は合わなかった。流行を作り、追って1度取材したらそのまま。自分達が起こした事件の後始末さえきちんと出来ないのがほとんどの出版社であり、いい加減なモラルの人達が仕事をしていることが多い。そうでない人もいるけれど、少数。 自分が変えようなんて気力よりも落胆の方が大きくて、某雑誌社を辞めた。 銀座は楽しかった。が社会では「銀座ホステス」=いかがわしい、うさんくさい、というイメージの方が強く、仕事とは認められていない向きがある。サーヴィス業の最も足るものだと思うのだけれど。 社会に認められたのは某雑誌社での仕事と肩書きで、一番好きだったけれど多くの人から眉をひそめられたのは銀座ホステスであった。 しし座のB型は飽きっぽいと言われる。 確かにそうかもしれない。でもその時々はまっすぐそのことを見据えて動いている。 でもそろそろふらふらするのも辞めないと。 すごく愛している反面、客観的に見れば足枷になっているのがドラミの存在である。 ドラミがいなければ今のわたしはないと断言出来るのだが、彼女がいることによって気軽に旅行や引越しが出来ないのも事実。だからどうということもない、愛する故の甘い足枷で、本人は「ああこの存在さえなければあれが出来たのに」とも思わないのだが、客観的に見ればもっと気軽に動けるであろう。 自分の実力、年齢と目標、そしてドラミ。 これらを合わせて考えて、動かなければならない。 すごく揺れている。占いとか行っちゃいそう。 帰り際、みんなが綺麗綺麗と言う六本木ヒルズのイルミネーションを撮った。 わたしは発光ダイオードが苦手である。すごい発明だと思うが、白と青の極めて人口的な光りよりも白熱灯のあったかい明かりの方が好きだ。 若い頃デートなどでイルミネーションを見せたがる人は多かったが、ちっとも感動しなかった。人が作った技巧的なものだから。媚みたいなもんだ、と冷めて見てしまうのだ。「かわいくない」とよく言われた。 ため息をついて、トレンチの前を身体に巻きつけて歩くわたしの横で、仲が良さそうなカップルが「綺麗だね」とけやき坂を見上げていた。 悩める者あれば、愛し合う者あり。 明確な答え、早く出るといいなあ。
by rinkomatsu
| 2004-12-16 23:47
| 日々の生活。
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